風邪はウイルス感染によって発症する呼吸器疾患です。
病院に行くと抗生物質が投与されることが多いですが、植物療法では、ウイルスや細菌を撃退するというよりは、体の抵抗力・免疫力を高めて感染を予防することを重視します。
また、発熱はウイルスの活動を弱め、免疫系の働きを高めるための自然治癒力の発動と考えるため、解熱剤で熱を下げようとはせず、体を温めて自然治癒力を応援する方法をとります。
それでは、お薦めのハーブと精油をご紹介します。
弱ったからだの免疫力を高める
◆エキナセア
(写真の出典:http://herb-store.net/item/echinacea.php)
成分ではエキナコシド、多糖類、イソブチルアミド等が含まれ、インターフェロン(体内で作られる、色んな働きで体を守ってくれる小さなタンパク質)を活性化し、免疫力を増強することや、ウイルスに対する効果も確認されています。
エキナセアは、北米のインディオの秘薬ともいわれており、ガラガラヘビなどに噛まれた時に、ティーにして飲んだり、パウダーにして傷口にすり込んだりして使っているそうです。
戦後にドイツなどで化学的研究が進み、「免疫力を高めるハーブ」として今では広く知られるところとなりました。
風邪が流行っている時期や、「風邪かな?」と思った時に、予防的に飲むのも良いでしょう。実際に風邪をひく頻度が減った、治りが早まったという研究も多数報告されています。
体を温め、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを緩和する
◆エルダーフラワー
(写真の出典:https://horti.jp/11733)
「インフルエンザの特効薬」と呼ばれており、マスカットのようなほのかな甘みがあるハーブです。
フラボノイドを含むため、発汗・利尿作用に優れ、熱いうちに飲むと汗が出て、症状がぐんと軽くなります。
ヨーロッパとアメリカ先住民の伝統医学に使われてきた、歴史あるハーブで、糖分と一緒に漬け込んで作るコーディアルという飲み物がヨーロッパでは親しまれています。
体内で消耗されたビタミンCの補給
◆ローズヒップ
(写真の出典:http://www.syufeel.com/onayami_ichiran/beauty/biyo-02/)
風邪の時、特に発熱を伴う場合には、体内のビタミンCを消耗するため、ビタミンCをレモンの20~40倍含むローズヒップをブレンドしてもよいでしょう。
咳とカタル症状には
◆ユーカリ[精油]
(写真の出典:http://www.fromash.jp/from-c/aroma/2015/01/post-9.html)
洗面器にユーカリの精油を1滴垂らすか、アロマディフューザーを使用し、蒸気を鼻と喉からゆっくり吸入します。外出時にはマスクに1滴たらしておくのもお勧めです。
ユーカリの精油には、1,8シネオールやα-ピネンが含まれ、強力な抗菌・抗ウィルス、去痰作用があります。
古くからオーストラリアの先住民アボリジニに疲れており、ユーカリを伐採するとマラリアが流行りだすという現象が、その抗菌作用を証明してくれています。
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